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目次、前回 < > 次回 | 第 251 回化学分科会開催報告 |
日時 | 2004 年 2 月 18 日 (火) 14:00-17:00 |
場所 | エルゼビア・ジャパン (株) |
配布資料:
今月のOUG化学分科会は、エルゼビア・ジャパン(株)を訪問し、「サイエンス・ダイレクト及び関連サービス」について清水毅志氏に紹介して頂きました。その概要は以下の通りです。
1. エルゼビア社とは?
1580年から出版業を開始し、吸収・合併を繰り返し現在では従業員36,000人、売上高10,374億円の国際商業出版社に成長している。1991年にはTULIP実験開始(インターネット経由での供給)し、1999年にはScienceDirectの提供を開始している。サイエンス部門は6,400人(日本22人)である。出版社の規模でみると、雑誌は1,800タイトル(毎年約80タイトルの入れ替えあり)で25万論文(日本よりの投稿数は約10%)に相当する。
2. サイエンス・ダイレクトとは?
高品質なプレミアジャーナルを、世界最大規模(収録論文数約550万、収録期間1823年〜、21分野、抄録数約7,000万件等)に集積し、安定したプラットフォーム(稼働率99.4%、昨年10月から100%キープ)で提供する、最先端の電子ジャーナルであり、全世界のユーザー数は約900万人に達している。6種類のオプション(サブジェクトコレクション、書誌情報デーベース、メジャーレファレンスワーク等)があり、選択可能になっている。電子ジャーナルが導入されて5年経過し、今後入社する研究員は既に使用している者が多くなるとの事である。日本での論文アクセス数は、100万件/月に達している。
3. サイエンス・ダイレクトの基本機能
ジャーナルの閲覧、検索(ジャーナル、データベースの検索)、アラート機能、ユーザーカスタマイズの基本機能から成る。アラート機能では、登録した検索式にマッチした論文や指定した論文が他に引用された等を見ることができる。検索では、エンドユーザー向けと上級者向けとが準備されている。
4. 紙媒体との差別化機能
他社電子ジャーナルとの相互リンク強化、ファクトデータベースへのリンク、音声データや動画データの表示、ホームページ情報の検索機能 (Scirus)、公開スピードの迅速化、利用統計レポートの充実による紙媒体との差別化が図られている。
5. 企業ユーザーへの導入利点
情報担当者にとって、論文探しやコピー依頼の減少により本来業務が充実し、情報提供の役割の重要性が増す。また、電子ジャーナルの利用状況の分析から研究者のニーズの把握でき、費用対効果の向上が図られる。その他、研究者や経営者にとっても多くの利点があるとの事である。
6. DiscoveryGateの紹介
DiscoveryGate とは MDL が最近提供を開始した有機化合物に関する総合的情報サ−ビスシステムである。研究者が求める情報を総合的にシステム化したもので、ファクトデータベース(物性、合成、反応、医薬、安全性、特許等)、有機合成知識へのリンク、電子ジャーナルへのリンク等により研究に必要な情報を容易に、瞬時に網羅的に得ることができる。