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目次、前回 < > 次回 | 第 242 回化学分科会開催報告 |
日時 | 2003 年 3 月 18 日 (木) 14:00-17:00 |
場所 | (社)情報科学技術協会会議室 |
配布資料:
1. マイナスイオンに関する検索事例
JSTPLUSファイル(1981.4〜2003.3.6)を用いて、マイナスイオンに関する検索事例の紹介があった。検索語「マイナスイオン」による検索の結果は186件であり、PYによる統計処理より最近特に顕著な増加が見られた(80件(2002年)、24件(2000年、2001年))。1980年から1992年(出力件数1〜3件/年)の検索結果の内容を見ると、質量分析法等のノイズも混入していた。分類コード等でノイズをカットする工夫も検討の余地ががある。その他、網羅的に検索するには、検索語「マイナスイオン」以外に、森林浴、空気浄化、空気調和、フィトンチッド等の検索語も検討の余地がある。
2. JCHEM ファイルの検索事例の紹介
化学物質の規制番号はChemlistファイル等で検索出来るが、安衛法の番号はJCHEMファイルにのみ搭載されている。NEW JOISにて提供されるCHEMファイルを用いて、昨年9月に官報公示された化合物の検索の結果が紹介された。安衛法の番号で検索する場合の検索コードは/RLNであり、他の規制番号と同様である。出力表示もRLNフィールドである。番号の表示形式で識別する。その他、JCHEMファイルからJSTPファイルへの渡り検索(SELコマンド)の検索事例の紹介があった。
3. マイナスイオン応用製品の紹介
マイナスイオンの発生、効果、応用製品の紹介があった。マイナスイオン応用製品を製品分野で見ると、マイナスイオン発生器、マイナスイオン・エアコン、ヘアケア、家電製品(冷蔵庫、衣類乾燥除湿器等)、壁紙(ヘルスコート、複合炭素シート)、寝具(毛布、マットレス)、その他(衣類、帽子等)の多岐にわたっている。製品の中には、マイナスイオン効果だけではなく、花粉やほこりなどの汚染物質のキャッチ、脱臭、ホルムアルデヒドの除去、電磁波カット等の効果と組み合わせた物も多く見られる。但し、一部にはマイナスイオンが発生するか疑わしい製品、素材等もあり、購入の際注意する必要がある。
4. 新聞情報による特許制度等の動向
新聞情報による特許制度、燃料電池、ナノテクノロジーの動向について紹介があった。特許制度の動向では、特許裁判二審の東京高裁集約、特許・著作権の信託解禁、WTO-製薬特許権緩和の結論先送り、特許審査料値上げ決定等が主な動向である。燃料電池に関しては、燃料電池車用高圧(700気圧)水素タンクの共同開発開始、米国--水素エネルギー社会(2020年実現)、燃料電池車向け水素供給ステーションの実用化に向けての技術開発開始等が主な動向である。ナノテクノロジーに関しては、文科省--ナノテク研究者成果等ネットで公開(http://www.nanonet.go.jp)、日本経団連--ナノテク振興へ重点12分野提言、ナノテクによる各種製品開発(生分解性樹脂の耐熱向上、微小カプセル--光で開く投薬、ナノ粒子フェライト等)が主な動向である。その他、「nano tech 2003国際ナノテクノロジー総合展」(2003.2.26-28)の紹介があった。