2007年度 情報検索能力試験 合格者の声
情報検索能力試験 1級に合格して 
             沖 砂緒里さん ((株)パトロ・インフォメーション)
okimura san  念願叶って1 級に合格することができました。1 級は2度目の挑戦でしたので喜びもひとしおでした。私は2005年度の2 級試験に合格した際,続けて1 級を受けようと決心しました。2 級試験を受けるために行った勉強内容や,実際の試験の雰囲気などを忘れたくなかったからです。計画通り2006 年度には1 級を受験しましたが,2 次試験で落ちてしまいました。この結果を自分なりに分析しました。不合格通知にはコメントも書かれていましたので自分の弱点などを知ることができました。そういう訳で2 度目の受験では前回の反省をもとに,実務面での経験をさらに積むことと,データベースの知識を高めることを大きな目標としました。

 実務面では新しいことを学ぶように心がけました。データベースを使う際にはサマリーシートなどに頻繁に目を通したり,ヘルプデスクに質問したりして知識をつけました。そうこうしているうちに1 年がすぐに経ち受験日を迎えました。
 筆記試験は昨年と構成が同じで,最後に2000 字の論文が待ち受けていました。昨年は書いている最中に手が痛くなりましたが,今回も全く同じ状況になり,肘から下が硬直しました。
  2 次試験では1 次試験の論文内容を6 分のプレゼンテーションにまとめるというものでした。6 分という短い時間ですのでスライド枚数は絞って作成しました。面接では,プレゼンテーションの内容,データベースに関すること,実務内容など,様々な質問を受けました。昨年と面接の構成もほぼ同じでしたが,この1 年で得た経験と知識を表現できればと思いながら面接を受けました。

 振り返ってみれば,やはり2 級試験後に間をおかずに1 級試験を受けたことが私にとってはよかったことと思っています。1 回目は失敗しましたが自分の不足部分を知ることができましたし,再チャレンジへの大きな目標を立てることができました。また,この1 級試験内容は実務に直結しているため,受けること自体非常にためになりました。筆記試験の論文は実務でいざ自分の頭を整理して書類を書くことと同じですし,プレゼンテーションも検索内容を説明する際に必要なスキルだと思います。皆さんにも,ぜひスキルアップとして1 級受験をお勧めしたいと思います。

 「合格を祝う会」に参加した際には,先輩サーチャー方のすばらしいスピーチが聞けました。合格者の方々とも楽しく交流することができ,とてもよい機会だと思いました。今後はさらに実務経験を積み,社外の研修会・セミナーなどにも積極的に参加してスキルアップしていきたいと思っています。


情報検索能力試験 2級に合格して 
             川崎 晴太さん
 早速ですが,これから情報検索能力試験2級を受験しようとしている方々へのアドバイスから入りたいと思います。
 「ワカランことは全部ググれ」
 上記の格言の方が以下に述べる全てよりも価値があるのですが,あえて駄文を連ねさせていただきます。
 
 必須テキストは『情報検索の知識と技術』です。これはINFOSTA 公式HP の出版物の項から確認・購入ができます。まずはこの一冊を押さえておきましょう。そして,もう一つ,絶対に用意しておくべきものが,過去問です。これは上記サイトの情報検索能力試験の項からpdf 形式でダウンロードできます。解答例と合わせて入手しておいてください。

 勉強道具は以上で揃いました。後はこれを如何に勉強するかですが,皆様方には皆様方それぞれの勉強方法があると思いますので,それに従えばよいでしょう。参考までに私の場合はといいますと・・・まず,最初の日にテキストの第1 章と第2 章を読み,自分なりにわかりやすくノートにまとめます。二日目は,前日にまとめたノートを読み,新たに第3 章を勉強し,ノートにまとめます。三日目は第1 章〜第3 章までのノートを読み,第4 章と第5 章をノートにまとめます。四日目は第1 章〜第5 章のノートを読み,第6 章と第7 章をノートにまとめる・・・というように,続けていけば,最後の第14 章をまとめた日には,第1章が完璧に頭に入っているだろうことがおわかりいただけるでしょうか。

 実際のテストの出題傾向ですが,前半試験については過去問を見るとわかるように,どの章からも満遍なく出ている気がしますので,どれか一章だけを重点的にやっても,合格は難しいと思います。
 次に,この試験を受けることの意義,合格したことで何が変わったか,と申しますと,目に見える形で恩恵を被ったことはまだありません。元々力試しのつもりでしたし,受験料6,000 円を払ってからは,「死に金をつこうてはならぬ」というモットーに従って,そのように努力したまでです。


 ですが,実際に合格してみると,とても嬉しいものです。これが,図書館司書を目指し,正規採用試験を受けるも,全て不合格だったという,当時の私の心的状況が引き起こしただけの感情だとはいえますまい。
 最後に今回の執筆に至った経緯とINFOSTAについて少し述べさせていただいて終わりにしたいと思います。
 2008 年3 月8 日に2007 年度情報検索能力試験合格者を対象とした「合格を祝う会」という催しに出席した折,執筆依頼をお受けしたのですが,就職浪人中の身に筆を任せるとはINFOSTA とは中々に豪胆であるといえましょう。
その一点をもってしても,「面白きやつ,近う寄れ」というような気持ちで試験を受けてみたくなりませんか?

情報検索能力試験 2級に合格して
              小澤 秀清さん (富士通テクノリサーチ(株))
ozawa san 情報検索の仕事に従事して1 年半強になりますが,『情報検索能力試験』のことを知ったのは半年ほど前のことです。会社に入社以来約30 年,超大型汎用計算機のハードウェア開発や,パソコンの開発に従事した後,パソコン関連の半導体の開発を経て,知財関連部門の子会社である今の会社に移ったのが1 年半程前です。会社での情報検索の仕事を通して受講した教育の中で,『情報検索能力試験』のことを知りました。その場の雰囲気で受験することになり,受験申し込みしましたが,実際に軽い気持ちで過去問を手にしたときは,受験申し込みしたことを後悔しました。過去問の内容が全く理解できなかったからです。

 受験申し込みを後悔しながらも,参考書の『情報検索の基礎知識』と『情報検索の知識と技術』を読み進めて行くと,今まで仕事で検索を進めて行く上で疑問に思っていたことが少しずつ判るようになってきました。フリーワード検索での同義語や類似語での諸問題に当惑したこと,そこから学んだ統制語や上位語や下位語の概念など,参考書を読み進めることで疑問に思っていたことが,体系立てて理解できるようになりました。また,知財関連の検索は特許文献ですが,特許文献を検索するのに重要な分類である,IPC,FI,F タームなども過去問を解くことで,頭の中が整理でき理解できるようになりました。

 基礎能力試験の方は参考書を読み返すことで,過去問をクリアすることができましたが,2 級の方は参考書や過去問だけで合格するのは厳しいです。
 2 級を合格できた最大の理由は,情報検索の仕事で実際のデータベースを使用しての検索の経験が大きいです。受験前に受講したDAILOG のデータベース検索の講習会やPATOLIS を使用しての特許文献検索でした。参考書に記載されているデータベースの名前と検索方法を覚えるのは結構大変ですが,実際にそのうちの幾つかについて講習会― 2 ― 情報の科学と技術 58 巻6 号(2008)レベルででも経験していると,その他のデータベースについても想像がつくようになります。データベースの中身の違いは別として,検索の方法や検索のコマンドは大同小異であることが,講習会や参考書を通して想像できるようになりました。

 これから『情報検索能力試験』を受験する方には,受験前にデータベース検索の講習を受けることをお勧めします。


情報検索能力試験 2級に合格して 
             武村 智子さん
 私は現在,大学図書館で働いており,レファレンスに関連する試験として,情報検索応用能力試験には以前から興味を持っていました。今回2 級を受験したのは,自分の実力試しになり,日々の業務にも役立つと思ったからです。実際に勉強していく過程で,今まであいまいだった知識や,あまり知らなかった事柄を系統立てて整理し,吸収することができました。

 試験の勉強は3 ヶ月くらい前から始めました。まず,2級のテキスト『情報検索の知識と技術』を何度も繰り返し読み込みました。初めはざっと内容を確認し,その後,アンダーラインを引いたり,音読したりして5〜6 回は通読しました。本文を読んでわかりやすいようにまとめたものを余白部分に書き込み,書き込めない分のみルーズリーフなどにまとめるようにして,ノートはほとんど作らず,テキストを辞書のように使っていました。テキストの中のわからない用語は,インターネットで調べたりして,漠然とでも意味をイメージできるようにしておきました。

 最初にデータベースの項目を読んだときは,その種類や要求される知識の多さに驚きましたが,幸いにも国会図書館が近くにあるため,時々そこで普段使えないデータベースに触れながら勉強を進めました。また,テキストを読むのに飽きてきたときに,過去問を新しいものから解いていきました。ここでは,自分の実力を試すと共に,出題の傾向や,記述式の問題ではどのような回答が求められているのかを把握するようにしました。そのほか,テキストで紹介されていた参考図書も何冊か目を通し,理解を深めていきました。

 元々この試験の分野について興味があったため,初めて知る事柄があっても,それを苦手意識ではなく新鮮に感じられたことが,振り返ってみると意欲と集中力を維持できた大きな要素であったと思います。しかし実際には,勉強は孤独な作業なので,モチベーションが下がって途中で投げ出したくなるときも何度かありました。でも,そんなときを乗り越えて合格してみると,新しい知識を得ることに対して,以前よりもずっと貪欲に,面白く感じられるようになった気がしています。

 今回の経験を通じて,自分の業務に関する知識の少なさとあいまいさ,この分野のソフト面での進歩の速さを感じました。まだまだ終わりは見えないな,という気持ちです。
これからも自分のペースで勉強を続けて,いずれは1級に挑戦したいと思っています。


情報検索能力試験 基礎能力試験に合格して 
             西脇 美奈子さん
nishiwaki san 特許事務所で商標の類似調査や,案件の審査請求・登録更新などの期限管理を担当しています。今は仕事で特許電子図書館(IPDL)を利用する機会が多いのですが,恥ずかしながら2 年前に大阪工業大学大学院に入学するまでは,サーチャーという仕事があることを知りませんでした。

 入学のガイダンスの時に「情報検索能力試験対策講座」の説明を受け,初めて試験のことを知った次第です。ですが大学院ですでに応用2 級に合格している方との出会いや情報検索の講義を通じて,サーチャーは高度なプロ意識が求められるやりがいのある仕事なのだと認識しました。

 大学院2 年生になり,特許事務所での仕事を始めたこともあって「今年こそは情報検索試験に挑戦しよう」と決めました。学校の応用2 級対策講座を受講して興味を持ちましたが,いろいろなデータベースを使い慣れていないことから勉強する範囲が広くて難しく感じられ,まずは「基礎能力試験」の合格を目指すことにしました。

 初めに『情報検索の基礎知識(新訂版)』を一度通して読んでみました。仕事ではワードやエクセルを利用しますし,インターネットの検索エンジンを使わない日はありません。『情報検索の基礎知識』でインターネットやデータベース,ソフトウェアについて意外と身についていなかった体系的な知識を深めることができて大変勉強になりました。そして確実に試験に合格するため9 月に大阪で行われた「基礎能力試験対策セミナー」に参加しました。ここでは勉強のコツを教えていただいてとてもよかったと思います。特に感じたのは「過去問を解くことの大切さ」でした。私は2003 年から2006 年の過去問を3 回解きました。
 
 勉強に充てていたのは主に通勤電車の中で,こま切れの時間を利用していました。過去問にひととおり目を通すと,よく出題される箇所があるのがわかります。その部分は『情報検索の基礎知識』を再読してきちんと理解するようにしました。計画的にコツコツ勉強できるともっとよかったのですが,働きながら大学院の講義とゼミに出席してさらにインターン活動にも参加し,また「情報プロフェッショナルシンポジウム」での共同発表の機会をいただいて準備を進めていましたので,勉強に集中できたのは試験前の2 週間ほどでした。
 
試験当日は緊張のせいか選択肢に迷いが出て結果が少し不安でした。ですから合格通知をいただいた時は本当に嬉しかったです。次はもっと勉強してぜひ応用2 級に挑戦したいと考えています。

情報検索能力試験 基礎能力試験に合格して
              田中 昌子さん (専門図書館勤務)
 私が情報検索能力試験のことを初めて知ったのは,司書講習を受講したときでした。そのときにはただそういう資格があるのかといった程度にしか感じていませんでしたが,実際に図書館関係の仕事に就き,少しずつデータベースなどにも触れるようになるにつれて,司書講習で学んだことに加えて情報検索の知識も必要であると実感しました。

 そして,図書館関係の仕事において勉強しておくと役立つ資格として,この資格に注目し,まずは基礎能力試験から挑戦してみたいと考え,受験準備を開始しました。
 勉強方法はテキスト『情報検索の基礎知識 新訂版』を読み,重要な部分を自分なりにノートにまとめてみました。
また,2000 年から2006 年までの過去問を解きました。過去問をやってみることで自分の理解できていない部分が見えてきましたし,傾向や対策を練る,試験に慣れる,という点からもとても有効だったと思います。

 まだ情報を扱う世界に足を踏み入れてからの経験が浅いので,学んだことがこれからもっと役立っていくのだと思いますが,仕事をしている中で勉強したことが少しずつ威力を発揮していると感じる場面が多くなってきました。今まで何気なく使っていたインターネット検索のことを学んだときには,特に印象深かったですし,大変参考になりました。

 司書を取り巻く世界において,今後ますます情報を扱う能力が必要になってくるはずですから,情報検索能力を養うことはとても重要だと思います。司書だけでなく,日頃情報を扱っている方にも知っていて有益なことばかりだと感じましたので,関心のある方ならぜひ挑戦していただきたいと思います。私もまだまだこれから学ばなければならないことばかりですので,今後も情報検索能力試験を志す方々と一緒に頑張っていきたいです。


                      ▲HOMEへ         ▲試験のページへ      ▲このページのTopへ