2004年度 情報検索能力試験 合格者の声
情報検索能力試験 1級に合格して 
             堀 恭子さん (株式会社サンメディア)
1_horisan 今回、約10年ぶり4回目の挑戦で、ようやく一級に合格することができました。私にとっては合格するまで長い道のりでした。個人的な体験談になりますが、今回の受験の準備や当日の様子をお話させていただきます。何かご参考になることがあれば幸いです。
 私は、入社して8年間、医学文献データベースの代行検索に従事、6年ほど検索業務から離れました。その後、検索に戻ることになり、一級再挑戦を決意しました。しかし、実際にはなかなか受験に踏み切れませんでした。

 昨年の秋、JST・INFOSTA共催のINFOPRO2004に参加し、ノーベル化学賞受賞の野依良治先生の講演、ラウンドミーティングやいろんな発表を聞いているうちに、学術情報流通の問題について、がぜん興味が湧いてきました。

 受験を決意したのは申込締切数日前で、受験日まで1ヶ月を切っていましたが、その頃、学術情報の流通について深く幅広く知りたいという欲求が最高潮に達していましたから、過去問題は、最近の動向を効率よく理解するための道しるべとして非常に役に立ち、情報検索基礎能力試験、応用能力試験の問題を手当たり次第解いていきました。

 オープンアクセス、SPARC、SFX、最適コピー、EBM、診療ガイドライン、著作権、コンピュータ・ネットワークセキュリティなど、関心のあるテーマが次々と出てきて、書籍や「情報の科学と技術」、「情報管理」の記事を読み、インターネットで有用なページを探して、読みあさりました。
 1ヶ月間、すごい勢いで詰め込んでいきましたので、試験前日は頭が飽和状態になり、試験勉強はせず、まったく別のことをしていました。
 一次試験はすべて記述式で、いままで詰め込んできたことを総動員して、ひたすら鉛筆を走らせて、答案用紙を埋めていきました。試験が終わった時、心身ともに疲労困憊していました。

 年が明けて、待望の一次試験合格の通知が届きました。二次試験はプレゼンと面接ですが、プレゼンの準備は、上司の前で予行演習を行なってアドバイスをもらい、さらにひとりで何度も練習を繰り返しました。面接の時に、一次試験について質問があると聞いていましたので、前日にもう一度全部見直して、納得が行くまで調べていきました。試験当日は、いまさら取り繕っても仕方がないと腹をくくり、業務について日頃考えていることをそのままお話しました。

 今回受験して感じたのは、試験勉強が、日常の業務に役立ち、受験を通じて自分の視野と可能性を広げることができたということです。また、周囲の声援が励みになりました。これから受験される方も、スキルアップの一手段として、積極的に挑戦されることをお勧めいたします。


情報検索能力試験 1級に合格して 
             田坂 恭子さん (オリヱント化学工業株式会社)
 入社して7年目になります。サーチャー試験というものがあるのを知ったのは、4年前でした。勤務している会社では、サーチャーの業務を行っているのは私一人ですので、自分のレベルがどのくらいかを知るために受験することとし、データベース検索技術者認定試験 1級(現:情報検索能力試験)を目標に、情報検索基礎能力試験から挑戦しました。

 情報検索基礎能力試験の試験勉強は、「情報の管理と検索」((社)情報科学技術協会発行)の本をまとめ、繰り返し読み直すことを夏頃から始めました。
情報検索能力試験2級および1級の際は、いろんなデータベースの利用方法を勉強しました。実際に利用していないデータベースでもwebから情報を集め、自分の利用しているデータベースと比較しまとめていきながら頭に入れていきました。
また、自分なりに問題内容の傾向を見つけ、自分だったらこういう問題も出すかも・・と考えながら、いずれの試験の際にも過去問題を見直しました。

 ずるい・・と言われても仕方ないのですが、2003年度に試験が改定されるということを知り、データベース検索技術者認定試験1級と情報検索能力試験1級の問題内容の違いを見て、2004年度に受験することにしました。改定後の試験問題の方が、より実務に沿っていたことが幸いし今回合格できたのだと思っています。

 私の苦手分野のITに関する知識は、関連しそうな本を読みました。
英語能力に関しては苦手意識がない分、普段から目にする機会を増やすよう意識していました。
 情報検索技術に関する問題・後半の論文は、実際の実務でどのように行っているかが試されるものでしたので、特に気負わず普段の業務から学ぶようにしていました。

 目的に向かって進んで行こうとしている人のサポートをすることにやりがいや喜びを感じる自分の性格が、このサーチャーという業種に向いていると自負しています。
今回合格できたことで自分のスキルに自信がもつことができましたので、今後も人の役に立てる情報を提供していけるようスキルアップに邁進していきます。


情報検索能力試験 2級に合格して 
             荒木 春美さん (富山化学工業(株)綜合研究所)
2_arakisan 「サーチャー」、つい最近まで、私には殆ど無縁の言葉でした。それが、昨年(2004年)6月、突然、研究企画部というサーチャー1級、2級の資格を持つ人の多い部署へと異動になりました。異動早々、上司からこの資格試験について説明を受け、私もサーチャーの資格を取ろうと決意しました。

 以前は研究・実験の実務に携わっており、PubMed、Yahoo、Googleなどの無料検索サイトはよく利用していましたが、有料サイトは使ったことがなく、情報検索に関しては全くシロウトの状態でした。その私がどのように勉強を進めたかをご紹介します。

 先ず、情報科学技術協会のホームページから、情報検索能力試験とはどういうものか、どのように勉強すれば良いのかなどの情報を得ました。そこで、情報検索能力試験2級を目指すことにし、早速、推薦されていた参考書の「情報検索の基礎知識」、「ひとりでできる特許調査」、「図書館・情報部門のホームページ作成」、東海サーチャー会の「試験問題・解答例」を購入しました。

 私の場合、情報検索の基礎から勉強する必要がありましたので、参考書を順に読み進めることから始めました。特に、今まで馴染みの無かった特許調査については、本を読んでもなかなか理解できず苦労しました。通勤電車の中で読みふけり、乗り過ごしてしまったことも・・・。試験の約3ヶ月前迄に参考書を一通り読み終え、過去の試験問題に真剣に取り組み始めました。なかなか覚えられないIT用語はノートに書き、関連用語も含めて覚えるよう努めました。過去3-4年間の試験問題はマスターしておいた方が良いと思いますし、実際、過去問を勉強することは、試験対策としてだけでなく、実務における知識・技術の習得のためにも大変有用です。

 2004年11月の試験は“難しかった!”の一言につきました。予想していた問題が殆どなく、新しい出題傾向で、新しいIT用語が多いとの印象でした。試験時間も意外と余裕がなく、ぎりぎりまでかかりました。思いがけず合格通知が届き、本当に良かったと思います。

 当然ながら、単に試験に受かることが目的ではなく、その知識・技術を生かしてこそ意味があります。職場の人達が様々な問い合わせに対応して検索する様子を目の当たりにし、大変勉強させていただいたことに感謝するとともに、これからサーチャーとしてお役に立てるよう努力したいと思います。

 情報化社会において、的確に必要な情報を得ることは益々重要になってきます。今後、多くの方々が本試験にチャレンジされ、多方面においてサーチャーの方々がご活躍されることをお祈りいたします。
 

情報検索能力試験 2級に合格して 
             星 史雄さん (富士通株式会社)
2_hoshisan 30年以上コンピュータの仕事をしている。後数年で定年です。ここで自分を振返り、かつ能力向上のため、一昨年より仕事関連の資格試験を受験している。情報検索試験以外では、システム監査技術者、情報セキュリティアドミニストレータ、およびプロジェクトマネジメントプロフェショナルです。これら受験と比較しながら情報検索試験で感じたことを書きます。

 情報検索試験は他の試験に比べて、1桁か2桁の受験人数差があるのではないか。確かに、今までは、図書館司書、企業内サーチャーという限定された人が対象だが、昨今のWEB化によりWEB関連情報検索も増え、情報検索試験もWEBの問題も増えている。情報検索の分野の関心が増すのに、何故受験者が増えないのか。受験した者としては次のような点が情報検索試験を受験し辛くしているのでは。そしてこれらの点を含め少しでも改善が進み、受験環境が良くなれば受験者も助かりかつ多くなると思います。

1. 市販本として過去問題解説の良いテキストがない
 情報検索の受験に際して、社内の受験講座に参加した。講座では、テキスト「情報検索の基礎知識」、講師作成の資料(含む過去問題解説)、および種々のベンダーの資料を使用し、その上、個人的には業務経験がないので、講師紹介の、「ひとりでできる特許調査」、「インパクトファクターを解き明かす」、および「情報検索演習」などにも目を通しました。また、WEBで調べた資料も使用しました。このように多くの資料に目を通した。情報検索以外の受験では、テキストは複数の出版会社から発行されている。その中から自分にあったものを1,2冊学習すればなんとか目的が達成でるよう集約されている。休日の学習の他に通勤時間の少しの時間を活用するには、1、2冊にまとまった過去問題の解説集が役に立ちます。本の大きさはA5判程度で一方の手で吊り革につかまりながら片方の手で本を持てる大きさや重さが適当。この様に学習内容を集約した市販本が是非出版されることを願います。また出版される効果として、本屋さんの資格本コーナに情報検索の問題集があれば目を通す人も多くなり、情報検索試験の目的・レベルなどが容易にわかり序々に受験者も増えるのではないか。

2. 練習用の無料データベース(DB)が増えてほしい
 日経テレコン21、G−Search,Dialog,JOISのご好意により半日の検索実習をして頂いた。私の職場では、有料DBは使用できないので、操作イメージを掴むのに大いに役立ちました。中でも、Dialogは無料練習用IDと練習用DBを公開しており、後日自習に役立ちました。他のベンダーさんでも同様のものがあると有難い。無料練習用DBは有るが、IDが有料のため使用することが出来ない場合もあり、無料練習用IDの導入をして頂ければと思います。このことが可能になると自習に役立つだけでなく、職場に有料DB導入の際の検討に実演することができ、より効果的説明ができます。

3. IT関連の用語は必要最小限に絞ってほしい
 前に述べた試験の中には、何故この問題がこの資格の知識・技術に必要か疑問のものも多々あります。その点、今回受験した情報検索応用能力試験2級や情報検索基礎能力試験は、少ないと思いました。私は情報検索実務の経験がないのですが、このような知識・技術を修得すれば、情報検索実務の入口に立てるのだとイメージができるようになりました。ただし、IT関連の用語の問題は、もう少し情報検索に関連の深い用語に限定しても良いのではないでしょうか。試験に合格後、情報検索実務を通して必要に応じてITの知識も増やせば実務上問題ないのではと思います。

 最後になりますが、今回の受験に際して、ご指導して頂いた講師の方々、およびWEBサイトの有効な情報を提供して頂いている組織・個人の方々、大変有り難うございました。


情報検索能力試験 基礎能力試験に合格して
              古川 真妙美さん (大阪府公立学校)
kiso_furukawasan サーチャーという資格を知るきっかけになったのは、昨年、図書館司書の資格を取るための講習を受けていた時でした。
 私は、データベースはおろか、パソコンさえ一般家庭には浸透していない時代に社会人となりました。その頃、世に中の情報を収集するには、電話や足を使って集めて回らなければならなかったのですが、コンピューターで検索する時代へと移り変わるにつれ、今では必要な情報を的確に収集するためには、コンピューターによる情報リテラシーが重要であると知りました。

 教育現場の事務処理も一般企業と同じく、今では何もかもパソコンを使います。
 いまひとつコンピューターになじめなかった私は、資料収集の手段やノウハウと、資料提供できる能力を身に着けるために、資料に囲まれた司書になりたいと考えました。

 しかし、「情報検索演習」の授業で、コンピューター発祥の歴史背景からデータベースの知識、情報検索の基礎を学ぶと同時に「情報検索能力試験」というものがあることを初めて知らされ、これからの図書館ではただ資料を提供するだけでなく、資料そのものの知識に加え、まずは資料にたどり着く能力(情報検索能力)が必要であると教わりました。

 社会人生活を送りながら必死で司書の資格を得て、ほっとする間もなく、情報検索能力の試験日が目の前にせまっていました。“今、情報検索に携わる仕事をしているわけではないから・・”と、見送ろうとしましたが、司書の授業で紹介されたテキスト(情報検索の基礎知識)が気になっていたので、とりあえず手に入れてみようと、INFOSTAから取り寄せました。ここから3ヶ月間テキストを使った自力学習が始まったのです。

 2級も同時に受けてみようかと考えたのですが、何事もワンステップずつと思い、まずは基礎能力一本で挑戦してみることにしました。
 勉強方法は、テキストを忠実に頭に入れることでした。テキスト学習の補助に、学習したての情報検索演習を参考にして、インターネットを利用しました。
 
 その結果、テキスト学習のみで合格できたのですが、活かす機会がないことに気がつき、考えた挙句、土日を利用して兼業(公共図書館での実務経験)をすることに決めました。
 大学図書館のほうが、専門分野の文献検索の経験が積めるのでしょうが、私なりの方法で得た資格を活かして経験を積み、今後2級に挑戦したいと思っています。

 この資格に少しでも興味を持たれた方は、合否も大切ですが、まずは試験に挑戦する気持ちが大切だと思うので、一緒に頑張りましょう。
 

情報検索能力試験 基礎能力試験に合格して
             須田 輝彦さん (別府大学文学部)
kiso_sudasan 別府大学では司書課程があり、その一環として情報検索能力試験(サーチャー試験)を受けるという演習があり、私も大学で司書課程を履修しており、情報検索能力試験のことを知り、目標としている司書にとっても魅力的な資格であったのでチャレンジしてみました。
 
 テキストを買って、それを各自で勉強していくというかたちで、毎日コツコツ進めていきました。本番の試験が近くなると、過去問をやってみたりしました。過去問を見ても、サーチャー試験の改正があったおかげで、試験問題もだいぶ解きやすくなっており少し自信がつきました。しかし、本番になると思いのほか難しく感じてしまい、なかなか自信をもって解くことができなかったです。まだまだ詰めが甘いと思いました。やはりテキストも二度三度見直し、過去問を繰り返して解くことが、重要だと実感しました。合格通知がきてホッとしたところです。
 
 東京で開催された合格を祝う会では、社会人の方が多く、大学生は少なく少しお驚きました。ましてや、私のように九州から来ている方は誰もいませんでした。この資格とは何の為にあるのか、企業や社会ではサーチャーの資格をどのように活かしているのかなど、貴重なお話を聞くことができました。会に参加することで、活きた情報を知ることで、何が求められているのかを私なりに得ることができたと思います。

 試験を受かるために必要なのはやはりやる気が一番ではないでしょうか。やる気があるからこそ、継続した勉強もでき、学んだものが身につくと思います。情報検索とう仕事は、相手の求める情報を的確に探し出し、提供するという仕事なだけに、「やる気」がとても大切になってくると思います。これからは、さらに情報化がすすみ、誰でも情報が簡単に手に入るようになってくると思います。そんな中で求められてくるものが、正確性じゃないでしょうか。

 私の中では基礎に合格したということは、情報検索能力試験のスタートラインに立ったかなという気持ちです。実際にはまだまだ勉強不足な面も沢山あると思います。しかし、これからさらに勉強して、2級、1級とチャレンジしていってみたいと思います。そして、これからの私の生活に役立てていきたいと思います。
 



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