東南アジアに関する文献情報の検索及び文献の入手 |
北野康子( きたの やすこ) 京都大学東南アジア研究センター資料部図書室 |
この論文は,東南アジアに興味を持つビジネスマンや,学生や,研究者にとっての文献検索のための初歩的なガイドである。インターネット,オンライン,CD-ROM検索を通じてアクセスした書誌データベース及び全文データベースの検索により,図書と雑誌と雑誌論文をいかに探すかの情報を提供する。また,東南アジアに関連した団体やその他の研究機関や,専門家に関するディレクトリ・タイプの案内データベースについても述べる。さらに,CD-ROM,電子ジャーナルとニューズレター,またオンライン・ブックショップに発注するような電子的手段によって文献を入手する方法についても情報を提供する。 |
キーワード:東南アジア,文献検索,書誌データベース,全文データベース,案内データベース,電子ジャーナル,電子ニューズレター,オンライン・ブックショップ |
東南アジアに見るデジタル・ディバイド |
三上喜貴(みかみ よしき) 長岡技術科学大学 経営情報系 |
東南アジア地域におけるデジタル・ディバイドの構造を点描し,その背景を,通信インフラの現状,識字と印刷出版,政治と民主主義,文字と言語という四つの視点から探る。 |
キーワード:デジタル・ディバイド,東南アジア,インターネット,識字,印刷出版,民主主義,文字,文字コード,ローカライゼーション |
東南アジアにおける科学技術情報活動:東南アジア科学技術情報 流通(CO-EXIST-SEA)プログラムの成果を中心に |
今井 敬子(いまい けいこ) 科学技術振興事業団 国際室 |
科学技術振興事業団(JST)マレーシア事務所が実施しているCO-EXIST-SEAプログラム,およびそこで得られた東南アジア5カ国の科学技術情報活動の現状について紹介する。同プログラムではASEAN10のうち5カ国からの科学技術担当省庁に属する情報機関の参加を得て,地域内協力体制の樹立を目的とした年一回のワークショップを開催するほか,情報担当者の研修を行っている。各国の現状としては,「どの国もITへの関心が高い」「情報流通に関するネットワークの利用については中央では可能となっているが地方での整備状況が遅れているため,最終的にはCD-ROMまたは紙媒体を頼らざるを得ない」「文献DBを作成しているのはフィリピン,インドネシア,ベトナムのみであり,クリアリング情報のディレクトリDBはどの国でも作成している」「直面している最大の問題は,情報収集能力不足(資金・統制力),スキルのある担当者の不足である」などが明らかにされた。 |
キーワード:東南アジア科学技術情報機関,ワークショップ,情報担当者の育成,CO-EXIST-SEA |
東南アジアにおける日系書店の活動:シンガポール 紀伊國屋書店の場合 |
森 啓次郎( もり けいじろう) シンガポール紀伊國屋書店総支配人 |
シンガポール在留の邦人に対する和書,和雑誌の販売から起業して17年,現在,売場面積1,200坪,東南アジアで最大にしてシンガポールで最も地元客に人気のある大型書店(シンガポール本店)を経営し,更にタイ,マレーシア,インドネシア,オーストラリアにおける事業を統括するシンガポール紀伊國屋書店。ここに至るまでの,その商品政策,仕入流通政策の変遷を追いながら,当店を取り巻くシンガポールおよびアジアの書籍流通の動向,社会情勢の一端を覗き見る。書店の商品構成は社会を映し出す鏡のようだ。 |
キーワード:東南アジア,シンガポール,書店,紀伊國屋,商品 |
東南アジアにおける図書館活動 |
竹内ひとみ( たけうち ひとみ) 国立国会図書館 図書部図書閲覧課 |
東南アジアの図書館の現状について,東南アジア図書館員会議(CONSAL),アジア・オセアニア地域国立図書館長会議(CDNLAO),IFLAコアープログラムを中心に述べる。また特に今年4月に開催された第11回CONSALの会議内容を詳しく紹介し,また今回の開催国であるシンガポールの「ライブラリー2000」プロジェクトについてもその概略を説明する。またCONSALの中心活動である,各国のカントリー・リポートをもとに東南アジア5ケ国の図書館の概略について述べる。 |
キーワード:東南アジア図書館員会議,アジア・オセアニア地域国立図書館長会議,LAP,ライブラリー2000 |