ISO/TC 37国内審議委員会について

ISO/TC 37の組織・概要

ISO TC 37 国内審議委員会:委員長 井佐原 均

ISO(International Organization for Standardization:国際標準化機構)は、国際標準化活動を行うために1947年に設立された非政府組織(本部:スイス・ジュネーブ)です。
ISOの加盟資格を認められているのは、1国1機関です。日本からは経済産業省(産業技術環境局基準認証ユニット)に設置されている審議会の日本工業標準調査会(JISC)が1952年に加盟しています。
TC 37(Language and terminology:言語及び専門用語)は、用語やコンテンツ資源全般、翻訳・通訳などに関する標準化を広く取り扱う専門委員会であり、組織としては五つの分科委員会(SC:Sub Committee)と、アドバイザリーグループ(CAG)やWG(ワーキンググループ)などが設置されています。

すなわち、
SC 1( 一般原則と手法:Principles and methods)
SC 2( 用語ワークフローと言語コード:Terminology workflow and language coding)
SC 3( 用語資源の管理:Management of terminology resources)
SC 4(言語資源管理:Language resource management)
SC 5( 翻訳、通訳及び関連技術:Translation, interpreting and related technology)
および
ISO/TC 37/CAG  Steering committee
ISO/TC 37/JAC  ISO 639 RA Joint Advisory Committee (2023年11月解散)
ISO/TC 37/TCG   Terminology Coordination Group for TC37
ISO/TC 37/WG 10 Technical communication
ISO/TC 37/WG 11 Plain language
ISO/TC 37/WG 12 Translation-oriented writing
で標準化を行っています。

2023年11月現在、TC 37にはPメンバー37か国、Oメンバー27か国が参加しています。

用語の標準化は、標準化作業の基本です。ISO、IECなどの標準化機関では、膨大な数の規格が作成されているものの、規格中に利用されている用語の意味そのものが統一されていなければ、標準化そのものが意味を持たなくなってしまいます。また、各国で用いられている用語は、その背景にあるそれぞれの習慣や文化などに大きく依存するため、対応する用語でも意味が異なるなど複雑な問題があり、円滑で正確な標準化作業を進めるには、用語の標準化作業が必要不可欠です。
このように、ISO/TC 37 は、国際標準化の根底をなす分野であるため、わが国の意見も的確に反映させる必要があります。このため、ISO/TC 37 にP メンバー登録を行い、積極的に国際標準化活動に参加しています。

[参考]
TCは、Technical Committee(専門委員会)の略。
SCは、Sub Committee(分科委員会)の略。
P(participating)メンバーとは、投票権を持つメンバーの意味。O(observing)メンバーは投票権がない。