OUG ライフサイエンス分科会 過去の活動 2006年度

第245回 ライフサイエンス分科会

記入者:堀   恭子
固武 龍雄
開催日時: 2007年3月15日(木) 14:00-17:00
開催場所: ファイザー(株) 会議室
配布資料: 参加者各自の検索結果
参加人数: 16名
内容:「検索演習」

1.5-FUまたはカペシタビンを先行投与して、その後タキサン系薬剤を投与して手足症候群が発症した例(国内・海外  ※抗癌剤の投与の順番が大事です。逆のパターンは不要。

【依頼の背景】薬剤の投与の順番を指定して、ある副作用が発現した報告を調査するテーマである。通常、タキサン系薬剤を投与した後に、5-FUまたはカペシタビンを投与することが多いようだが、今回はその逆の順番で投与した症例を探したい。手足症候群は、「抗悪性腫瘍剤の副作用としてみられる皮膚症状で、カペシタビン、UFT、5-FU、TS-1、ドセタキセル、レボホリナートなどの各種の抗悪性腫瘍剤で起こり得るが、特に手術不能又は再発乳癌の治療薬であるカペシタビンに多い」(ウィキペディア)とあるが、5-FUまたはカペシタビン投与後、タキサン系薬剤を投与したことがトリガーとなって副作用が発症した症例を求めている。
【検索のポイント】商用データベースにおいては通常、薬剤投与の順番を索引づけることは行なわれていないため、文献検索で2つの薬剤の投与順を指定することは難しく、「薬剤A×薬剤B×副作用」という組み立てで検索をして、あとは結果を見るしかない。
【検索結果】「タキサン系薬剤×(5-FU+カペシタビン)×手足症候群」掛け合わせの結果、国内は該当が見つけられなかった。海外はMEDLINEで見つからなかったが、EMBASE、DDF(Derwent Drug File)で検索したところ、DDFで見つかった(Isr.Med.Assoc.J., 2, No. 10, 786, 2000)。データベースの選択は、網羅的に検索するならばMEDLINEのみでは不十分で、EMBASEやDDFまで検索を行う必要がある。DDFの会員制のファイル(Dialogファイル912,913)は拡張抄録まで検索対象となるので、非会員制のファイルよりも網羅的な検索が可能である。なお、同文献はMEDLINEでも収録されていたが、抄録が収録されていなかった。

2.造影検査に、造影剤の種類を変えずに毎回同じ造影剤を続けて投与(国内)
※造影剤の種類を変えない場合と変えた場合とを比較したい。

【依頼の背景】定期検査などで造影剤を使った検査を行なう場合、造影剤の種類を変えない方がいいのか変えた方がいいのか知りたい。
【検索のポイント】キーワードが確定しているのは「造影剤」だけで、それ以外はどのキーワードを用いて検索すればいいのか試行錯誤する必要がある。その場合、どのデータベースを第一選択とするのがいいか考える必要がある。医中誌Webは検索するごとに結果が表示されるので好都合であるが、的確なキーワードに行き当たらなければ、ノイズを含む膨大な結果のチェックに時間を費やすことになりかねない。その点、JMEDPlusは近接演算子が使用できるので、サーチャーのイメージに近い検索を実現しやすいというメリットがある。ただし、従量課金の場合、回答表示するごとに料金が発生するので注意が必要である。
【検索結果】試行錯誤の結果、同じ造影剤(同一造影剤)を繰り返し使用することで副作用が発症したという報告が見つかった。「反復投与」「頻回投与」などの表現でも見つかる可能性はあるが、いずれにせよ、タイトル・抄録を確認する作業が必要である。
医中誌Web、JMEDPlusいずれでも同じ結果にたどりつくことができた。MEDPlus使用者は、近接演算子を使った検索を行い、タイトル出力によって内容を判断した。医中誌Web使用者からは、近接演算子を使えないことにストレスを感じたという感想があった。
医中誌WebでヒットしてJMEDPlusでヒットしなかった文献は、医中誌Webは抄録中に「同一造影剤」があったが、JMEDPlusにはその表現がなく「反復投与」と表現されていた。JMEDPlusでヒットして医中誌Webでヒットしなかった文献は、医中誌Webに記事が収録されていなかった。医中誌WebとJMEDPlusは相互補完的に使用できると考えられる。

3.抗ウイルス薬を用いてインフルエンザを治療する場合を、薬剤経済学的に論じた文献(ワクチンを除く)。

最近、薬剤経済学とか医療経済学とかに関心が払われるようになってきた。当OUG分科会ではこのような問題は今までやったことがないので、やってみることにした。
どんな語を用いればよいか。フリータームとしては医療経済、薬剤経済学、医薬品経済学、経済学などいろいろ考えられるが、JMEDPlusの場合は「費用効果分析」というJSTシソーラスのディスクリプタがある。MEDLINE(含 PubMed)を用いるのなら、Economics
(EC)というサブヘディングが1978年よりあるのを忘れてはいけない。これは疾病にも薬剤にもリンクできるサブヘディングである。
ワクチンを除くということで、検索結果から NOT ワクチン とした人もいるが、この場合、普通の抗ウイルス薬とワクチンの両方について記述している文献は除かれるということを承知の上で使うことだ。
厚生労働省関係の報告書は必ず検索して出すように心がけているという人もいた。

4.合成着色料「食用赤色3号(エリスロシン)」を薄層クロマトグラフィーを用いて他の着色料と同時に分析した事例

ライフサイエンス分科会といっても、医薬・医学に関する検索が殆どなので、今回は食品関係をやってみることにした。
赤色3号をどんな風に検索するかであるが、JDreamを使うのならJCHEMファイルより渡り検索をする、STNを使うのならRegistryファイルからというのが普通かもしれない。しかし筆者はGoogleで赤色3号とはどんなものか調べているうちに、CASのRegistry No.や日化辞番号を自然と目にしたので、これをそのまま入力して検索した。
薄層クロマトグラフィーについてはフリータームなら略号のTLCをも加えて検索した方が良いだろうが、JSTシソーラスでは薄層クロマトグラフィーがディスクリプタとしてあるので、主要なものがくれば良いというのなら、このディスクリプタのみでもよいだろう。
同時に分析ということに絞るには、同時とか同時分析(JSTのディスクリプタ)を用いることも考えられるが、このような語を用いると、もれが多いと思われる。件数が多くなければこれらの語は使わずに抄録をチェックするのがよいだろう。
参加者の使用したデータベースはJSTPlusの他に、BIOSIS,CAPlus、Agricola,ANABSTR(Analytical Abstracts)などであった。分析化学なのでAnalytical Abstractsのデータベースは用いてみるのも良いと思われるが、筆者はこれを失念していた。このデータベースは分析対象物質とそれを含む媒体(尿、血液など)とを区別して検索できる特長がある。食品ということでFSTAなどを使う人もいるかと思ったが、今回はいなかった。


第244回 ライフサイエンス分科会
記入者:大久保 舞子
塚本 晶子
開催日時: 2007年2月22日(木) 14:00~17:00
開催場所: ファイザー(株) 会議室
配布資料: 「EBSCO HOST Research Databases」等
参加人数: 19名

内容:「EBSCOhostオンラインデータベース」
鈴木 智之氏
齋藤 卓男氏

今月は、EBSCO社の提供するEBSCO hostの200種類ものデータベースの中から、ライフサイエンス分野を中心としたデータベース(MEDLINE with Full Text、CINAHL Plus with Full Text、PsycINFO/PsycARTICLESなどPsycシリーズ)を紹介していただきました。

A.EBSCOhostとは

EBSCOhostはデータベースおよび検索プラットフォームの総称で、EBSCO Information Servicesの一部門であるEBSCO Publishingより提供されている。
オンラインでのフルテキスト検索が特徴で、全文を収録した全文データベースと文献情報を収録した二次情報データベースが、各分野合わせて計150種類以上が扱われている。
様々な出版社のコンテンツを収録したアグリゲータデータベースとしては国内でも大規模なもので、約200校の大学図書館で導入されている。
主な特徴は下記の通り。

※ 自由語検索、統制語検索、インデックス検索が可能。各種条件により絞込み検索もできる。
※ EBSCO SmartLinksによって全文情報がシームレスにリンク付けされており、EBSCOhost内のフルテキスト、他社の電子ジャーナルやフルテキストデータベース、CrossRef会員の出版社が提供するデータベースにリンク可能。
EBSCO CustomLinksにより、OPAC、WebcatPlus、相互貸与サービス、リンクリゾルバサービス、書籍ベンダー、PubMed、検索エンジンなど外部ソースへの連携が可能。
※ My EBSCOhostにより個人用アカウントを作成し、雑誌のアラート登録や検索結果の保存、検索式の保存が可能。
※ RefWorksやEndNoteなどへのDirect Export機能。

1.EBSCOhostで扱う代表的なフルテキストデータベース
Business Source Corporate
EconLit with Full Text
SocINDEX with Full Text
Risk Management Reference Center
Computers & Applied Sciences Complete
Environment Complete
Biomedical Reference Collection: Corporate Edition
MEDLINE with Full Text
CINAHL Plus with Full Text
SPORTDiscus with Full Text
PsycINFO
Psychology & Behavioral Sciences Collection
2. MEDLINE with Full Text
MEDLINEのフルテキスト版データベースで、MEDLINEのデータに加え約2,000誌(107万件)の全文情報を搭載。主な特徴は下記の通り。
自由語およびMeSHによる検索に加え、EBSCO独自のCluster Searchが可能。(検索結果の1-200件目までの論文で、最も「人気のあるサブジェクト(MeSH)」上位10傑が表示され、それらを選択することにより絞り込んでいく機能。)
オートマッピング機能(自由語を入力した際のMeSHへのリンク)は、現在なし。
週1回更新で、フルテキスト掲載までのタイムラグは出版社により異なる。
3. CINAHL Plus with Full Text
CINAHL Information Systems作成の看護学、保健学全般に関するフルテキスト版データベース。主な特徴は下記の通り。
3,100誌以上のインデックス・抄録、570誌以上の全文を収録。
1937年以降のデータを収載。
引用・被引用文献による検索が可能。
看護法令、臨床開発、クリティカルパス、医療品データ、測定用具、臨床試験などの情報も収録。
4. Psycシリーズ
American Psychological Association作成の心理学系データベースのシリーズ。EBSCOでは、下記のデータベースを取り扱っている。
PsycINFO(二次情報データベース。)
PsycARTICLES(フルテキストデータベース。)
PsycBOOKS(書籍データベース。絶版書籍の全文情報も収録。)
PsycEXTRA(灰色文献を収録。)
PsycCRITIQUES(批評・書評を収録。)
☆ 配布資料
EBSCOhostについて
MEDLINE with Full Text
CINAHL Plus with Full Text、Psycoシリーズ
DynaMed
GIDEON
SMART Imagebase


第243回 ライフサイエンス分科会
記入者:戸上 康弘
開催日時: 2007年1月18日(木) 14:00~16:30
開催場所: ファイザー(株) 会議室
配布資料: 「Dialog UPDATE」等
参加人数: 19名

内 容:「Dialog Update2006秋」から選んだ2テーマ
田中 早苗氏

今月は、2006年12月に開催された「Dialog UPDATE秋」のテーマの中から副作用情報収集のための系統的な検索式と有用なWeb情報、そして新しいDialogの検索サイト「Dialog ClassicWeb」についてジーサーチの田中早苗氏に説明していただきました。

A.「ファーマコビジランス:情報源と検索式」

製薬会社が行う市販後調査と副作用報告、そして医療関係者や患者からの自発的報告制度など一連の医薬品の安全性情報監視体制は「ファーマコビジランス」と言われている。講演では、安全性情報の文献収集のためにDIALOGで利用可能なデータベースでの検索式事例と検索のポイント、さらに有用なWeb情報を解説いただいた。
紹介された主なデータベースは、文献DBは「MEDLINE」、「EMBASE」、「BIOSIS」、副作用速報ニュース記事は「 ADIS Newsletters」(ファイル428-429)、FDA報告情報は「Adverse Reaction Database」(ファイル181)だった。概要は次の通り。

1.MEDLINEでの検索
(1)医薬品名がMeSH Termにある場合
まず「薬名のMeSH Term」を近接演算子「L」を使って副作用、毒性関連のサブヘディングで限定する。 (AE: Adverse Effects(有害事象)、TO: Toxicity(毒性)、PO: Poisoning(中毒))
次に「薬名のMeSH Term」に、「Chemically Induced」(化学的誘発)とMeSH Termの「Drug Interactions」(相互作用)を AND検索する。(ただしノイズも発生する。)
1.と2.を足し合わせる。
検索式事例:
SERTRALINE (L)(AE or TO or PO) or (SERTRALINE/DE and (CHEMICALLY INDUCED or DRUG INTERACTIONS))
(2)医薬品がMeSH Termにない場合
一般名や商品名などの同義語を全て考慮して入力し、「ディスクリプタフィールド限定“adverse”」をかける。
索引されている該当薬効名を確認して、これに近接演算子「L」を使って副作用、毒性関連のサブヘディングで限定する。(下位語一括検索はしない。)
1.と2.をAND検索する。
検索式事例:
S1 (INFLIXIMAB or REMICADE) and adverse/DE
S2 (ANTIBODIES, MONOCLONAL)(L)(AE or TO or PO or CT)
S3 (IMMUNOSUPRESSIVE AGENTS)(L)(AE or TO or PO or CT)
S4 S1 and (S2 or S3)
2.EMBASEでの検索
MEDLINEに比べて早く医薬品名がEM Termにエントリーするのでリンク語との組み合わせ検索が有効。件数が多くヒットしてくる場合があるので、絞込みやレコードをスクリーニングする必要がある。
検索式事例:
S1 INFLIXIMAB(L)(AE or IT or TO)
S2 S1 and (INFLIXIMAB or REMICADE)/TI,AB,TN
3.その他の文献データベースでの検索
フリーワード検索となるため、「医薬品名」x「副作用関連キーワード」の検索実行。
薬名の検索式はPharma Projectsファイル(128)でMAPコマンドを活用してシノニムやCAS番号を抽出し EXSコマンドで網羅的な検索を行う。
副作用関連キーワードやフレーズを網羅した検索式を展開する。
FROMコマンドでファイル指定してOneSearchで行い、RDで重複除去する。
検索式事例:
S1 SERTALINE or BESITRAN or RN=”79559-97-0” or ………
S2 (ADVERSE or SIDE or UNTOWARD or UNEXPECTED)() (REACTION? or EFFECT? or EVENT? or EXPERIENCE? or RESPONSE?) FROM 55,34,377,74,94,144,156,173
S3 (DRUG or CHEMICALLY)(1W)(INDUCED or RELATED or ASSOCIATED or INTERACTION?) FROM 55,34,377,74……
S4 CONTRAINDICAT? or CONTRA()INDICAT? or POISON? or TOXIC? or TERATOGEN? or MUTAGEN? or CARCINOGEN? or ONCOGEN? or IATROGEN? FROM 55,34,…..
S5 S1 and (S2 or S3 or S4)
4.ADIS Newsletter(ファイル428-429)
未知、重篤の副作用記事は、S FIRST()REPORT/TI、S SERIOUS/TI の検索式が有効。

5.Adverse Reaction Database(ファイル181)
未知で重篤な副作用は、記事区分(RC)で「EXPEDITED」、死亡例はOUTCOMES(OT)のフィールドで「DEATH」、「DIED」で索引されているのでExpandコマンドで選択。

B.「副作用データを収録するWeb情報源」の紹介

MedWatch (http://www.fda.gov/medwatch/index.html )
USA 情報[FDA作成]
EudraVigilance( http://eudravigilance.emea.europa.eu/human/index.asp)
EU情報[EMEA作成]
WHO Adverse Drug Reactions database: Vigibase ( http://www.who-umc.org)
CADRMP Adverse Reaction database (Canada)
( http://www.hc-sc.gc.ca/dhp-mps/medeff/databasdon/index_e.html)
カナダの医薬品安全性情報[Health Canada作成]
C.新しい「Dialog ClassicWeb」
2007年1月下旬にリニューアル予定の「Dialog ClassicWeb」を説明していただきました。
新しい『Dialog ClassicWeb』は、XMLダウンロードやレポート作成機能等を搭載した Dialogコマンド検索用次世代プラットホームです。
ソフトウェアのインストールや接続設定が不要で、手軽にDialogLink5と同等の高速・ハイパフォーマンスな検索環境を実現します。
※従来のClassic Web も、3月30日まで平行して利用可能。
3~5月に、Classic Webの無料セミナーの開催が予定されています。

☆ ジーサーチ「UPDATE2006秋」のサイトの「テキストと資料」で今回配布いただいた資料のPDFファイルが閲覧できます。
⇒  http://database.g-search.or.jp/support/seminar/2006/0612/update2006f.html


第242回 ライフサイエンス分科会
記入者:渡辺 正彦
開催日時: 2006年12月21日(木) 14:00~16:30
開催場所: ファイザー(株) 会議室
配布資料: 「Ovid eResource Management Solution」等
参加人数: 23名

内 容:「Ovidのe-Resource Management Solution :統合検索から フルテキスト管理ツールまで」
今月は、Ovidの電子情報源管理ツールであるSearchSolverとフルテキスト取り込み&管理ツールであるQUOSAについて、 Ovidの担当者に説明していただきました。

1.SearchSolver

設楽 真理子氏

SearchSolverは電子ジャーナルやデータベース等オンラインで提供されている様々な情報源を一括して横断検索するシステムです。 国内のデータベースも対象で、日本語のインターフェースも用意されています。選択された情報源に対して検索式を投げ、 レスポンスの早い順に結果を表示するシステムですが、重複除去や検索結果の並び替えも可能です。サーバーは米国にあり、 自機関で用意する必要はありません。検索対象の情報源を選択し、自機関独自の情報ポータルを作成できます。ただし、 契約内容により利用できる情報源に制限があります。その他の特徴は以下のようになります。
3,500以上の情報源から検索対象を選択可能です(代表例は以下を参照してください)。
電子ジャーナル:Highwire、Ingentaconnect、SciencDirect、Synergy、InterScience等
データベース:PubMed、医中誌web、Ovid CHINAL、GiNii等
インターネットのポータルサイト:Google Scholar、Scirus等
自機関情報源:OPAC、リポジトリ等
検索フィールド(著者名、タイトル等)の指定やトランケーション、近接演算も可能です。
OvidのLinkSolverと組み合わせることにより、検索結果からオリジナル情報へのリンクも可能になります。
Elsevier社のScirusを各種データベースや電子ジャーナルサイトに拡張したイメージですが、デモサイトを利用した限りでは、 インターフェースはユーザーフレンドリーでレスポンスも早く、使いやすいシステムと思いました。また、HighwireやScirusのように PubMed検索も行う情報源を選んでも、重複除去して表示していました。

当日の配布資料 ⇒ OvidSearchSolver.pdf

2.QUOSA Information Manager

角田 亮子氏
QUOSA (QUery、Organize、Share、Save、Analyze)はフルテキストを取り込み、 管理・検索するシステムです。 QUOSAでOvidやPubMedを検索すると、ワンクリックでオリジナル文献をPDFやHTML形式で取り込み、索引作業や解析を行います。 フルテキストでの検索用語のハイライト表示も可能です。オリジナル文献をフォルダーに保存し、全文検索や著者名などの フィールドを指定した検索も可能です。
検索結果をEndoNoteのような文献管理ソフトにエクスポートすることも可能で、文献管理ソフトから取り込んだオリジナル文献の 表示も可能です。

QUOSAの紹介資料 ⇒ OvidQUOSA.doc

3.副主査の交代
2007年からノバルティスファーマ(株)の戸上康弘さんと(財)国際医学情報センターの塚本晶子さんが副主査を 担当してくれることになりました。

4.2月のOUG開催日の変更
2月15日が当初の予定日ですが、IMICのユーザー会と重なるため、22日に変更することになりました。


第241回 ライフサイエンス分科会
記入者:齊藤 真紀子
開催日時: 2006年10月19日(木) 14:00~16:30
開催場所: ファイザー(株) 会議室
配布資料: なし
参加人数: 22名

内 容:「Thomsonの製薬会社向けサービスの最新情報」
今月は、先月話題に挙がったインパクトファクターの復習と Thomson Scientificの製薬会社向け サービスとしてカスタムインフォメーションサービス(CIS)の最新情報について、トムソンサイエンティフィックの 担当者に説明していただきました。

1.インパクトファクターを超えて:引用データから見る学術雑誌動向

宮入 暢子氏

「Impact Factorとは何か」について、分かりやすく説明いただいきました。
インパクトファクター」は、「JCR:Journal Citation Reports」に収録された、 学術雑誌の有用性を示す指標のひとつで、ある雑誌の一論文あたりの平均被引用数を示している。
学術雑誌の質や順位を表したり、個々の論文や研究者を評価したりするための指標ではない。
学問分野、雑誌の特徴などにより数値が異なる。

JCRには、インパクトファクター以外にもImmediacy Index(最新文献指数)、Cited Half-Life(被引用半減期)、 Citing Half-Life(引用半減期)、などの雑誌指標が収載されている。
私たち図書館員・サーチャーは「インパクトファクター」等の各指標の示す意味を理解し、 「JCR」で何が分かるかをユーザーに正しく伝えていくことが必要だと感じました。

2.Custom Information Services (CIS)

中塚 真依子氏
トムソンサイエンティフィックの製薬会社向けサービスとして、カスタムインフォメーションサービス(CIS) の最新情報を説明いただきました。
論文、ニュース記事等のフルテキストから必要な情報を検索、編集し報告するサービス。 全文テキスト検索から、詳細条件を医学のバックグラウンドを持つ専門家が絞り込み、 インデキシングや翻訳をして、クライアント指定フォーマットで定期的に提供する。
個々の詳細な要件(調査内容、納品フォーマット等)をヒアリングしカスタマイズできる。
費用等、詳細については説明資料および下記リンク先を参照ください。
参考リンク:
トムソンサイエンティフィックのトップページ http://www.thomsonscientific.jp/index.shtml
JCRの製品情報  https://www.thomsonscientific.jp/products/jcr/index.shtml
こちらから宮入氏の論文も閲覧できます。
CISの製品情報  https://www.thomsonscientific.jp/products/cis/index.shtml
こちらからBrochureもダウンロードできます。
3.11月のOUGについて
11月のOUGは情報プロフェッショナルシンポジウムと重なったため休会にします。


第240回 ライフサイエンス分科会
記入者:渡辺 正彦
開催日時: 2006年9月21日(木) 14:00~16:30
開催場所: ファイザー(株) 会議室
配布資料: 「BIOSIS Previews勉強会資料」、「SLAの紹介資料」
参加人数: 24名

内 容:勉強会
1.SLA参加報告
(財)国際医学情報センター 田仲 清道氏、北野 若葉氏、佐藤 京子氏

6月にボルチモアで開催されたSLA(Special Libraries Association)の総会について、 RegistrationやReception、Vender Partyの様子も含めて紹介していただきました。
Exhibitionは380ものブースがあったとのことでしたが、その中で
Scopus (Elsevier)
EMbase.com (Elsevier)
MedlinePlus (NLM)

Rightspfere (CCC)
について、簡単に紹介がありました。また、Open Accessの話題としてPLoS の現状についても紹介がありました。 いずれも、時間の関係で詳細な説明は聞けませんでしたが、今後機会を見つけて、勉強会で取り上げたいと思いました。
RSSセッションの紹介では、PubMedの検索結果をRSSで登録する例を具体的に説明していただきました。 BlogとRSSを組み合わせて、情報発信を積極的にやっていくべきとの提案もありました。

2.BIOSIS Previewsの最新情報

(株)ジー・サーチ 田中 早苗氏
最近、大きな変更がありませんが、検索のポイントについて説明していただきました。
国際会議での発表も収録しているが、収録数は限られる。一部、抄録自体も収録している。 ただし、対象となる国際会議については、情報が十分ではない。
1992年以前のレコードのディスクリプタはタイトルに出現しなかった場合にのみ 付与されるので、必ず「/TI,DE」としてタイトル中の用語も加える必要がある。
MeSHも付与されているが、下位語を含めた検索ができないので注意が必要。
Search Guideは2001・2002年版が最新たが、入手が困難。Expand機能を活用して、 適切なキーワードを探す必要がある。

3.11月のOUGについて
11月のOUGは情報プロフェッショナルシンポジウムと重なったため休会にします。


第239回 ライフサイエンス分科会
記入者:固武 龍雄、高力 一郎、戸上 康弘、江原 有樹子
開催日時: 2006年7月20日(木) 14:00~16:30
開催場所: ファイザー(株) 会議室
配布資料: 参加者各自の検索結果
参加人数: 15名

内 容:検索演習
1.イオン性ヨード化造影剤の副作用
MELINEとEMBASEで検索し、重複を除くこと。過去10年位。

MEDLINEとEMBASEではシソーラスが異なり、MEDLINEはContrast Mediaであって、 ヨード化物と他のものとの区別も、イオン性と非イオン性の区別もない。これにひきかえ、 EMではIodinated Contrast Mediumの下位にIonic Contrast Mediumがあり、 イオン性ヨード化物が独立している。それで当然、検索式もこれに応じて使い分けなければならない。
MEDLINEではイオン性に限定する(非イオン性を除く)ために、NOT近接演算子を用いて、 例えばDIALOGでは Ionic(NOT N)Non で限定したが、これを用いるとかなりもれると思われる。 というのも個々の造影剤名の文献で、いちいちイオン性などと付記していないことが多いと 思われるからだ。それで主なイオン性造影剤の名称でも検索した方がよい。IodinatedはMEDLINEでも 検索式に入れない方がよいだろう。これもいちいちヨード化などと記述しないことが多いと思われるからだ。BR>  EMシソーラスのIonic Contrast Mediumの下位にある、すべての個々のイオン性造影剤名だけで検索する というのも一方法であるが、ディスクリプタはContrast Mediaしか付されていなくて、抄録やタイトルにも 個々の造影剤名がない(本文の全文中は別として)文献もある。やはりContrast Mediaや Ionic Contrast Mediumでも検索した方がよいだろう。
STNシステムではEMの場合にリンク語とリンクする場合、従来、(L)を使用していたが、 ノイズがでるので(P)を使うのがよいということを先月の例会で化情協の宮崎さんから 教えていただいた。その時示されたノイズの例はDIALOGで(L)を用いたときには出て こなかった。DIALOGとSTNでは違っている。
マルチファイル検索での重複除去に到るまでのやり方はいろいろあるが、DIALOGでは  FROM 154の如く、各ファイルを別々に検索してから除去する方法や、BEGINの後に FILEコマンドを用いるやり方もある。これらの方法については他の参加者が触れていない のは少し意外だった。

2.海外データベースで「横紋筋融解症が治癒すればミオグロビン尿は改善する」という文献。

難しい問題で、明確な文献をヒットさせることができませんでした。横紋筋融解症やミオグロビン尿 と改善や回復、治癒等を近接演算した例もありましたが、思わしい結果は得られませんでした。

3.糖尿病薬(GLP-1、DDP-IV関連)の臨床試験および副作用についての文献。

GLP-1関連は受容体作動薬、DPP-IV関連は酵素阻害薬が対象。新しい薬効の場合、 薬理作用名や物質の同義語を入れて検索してみてもヒット件数が少ない時がある。
「明日の新薬」などの開発品状況データベースなどで調べて、具体的な開発品名称や 化学物質番号をリストアップして自然語検索として加える試みも必要である。 EMBASEの検索例では、「glucagone -like peptidase-1」(活性体のタームもある。)や 「Dipeptidyl Peptidase IV inhibitor」のEM-Termを採用し、先に作ったリストの薬も 自然語として検索する。これを臨床試験や副作用の文献に絞り込んだ。
JMEDPlusや医中誌Web国内文献検索の発表例では、総説、解説記事が目立ち、 臨床文献はほとんどなかった。また「BIOSIS」の検索例では、学会発表の 臨床試験結果もヒットした。

4.腹膜刺激症状のない胆汁性腹膜炎

検索方法:「~のない」という表現の候補を複数あげ、「胆汁性腹膜炎」と掛け合わせる。 あるいは「(腹膜)刺激(症状)」・「胆汁性」・「腹膜炎」を掛け合わせ、広めに検索。
検索結果:JMEDplus、医中誌Web、Google Scholarで検索した結果、計5件がヒット。
「腹膜刺激症状を呈さない」 (JMEDplus、医中誌Web)
「腹膜刺激症状を呈さなかった」 (JMEDplus)
「腹膜刺激症状は認めなかった」 (医中誌Web)
「腹膜刺激症状も認められない」 (Google Scholar)
「腹膜刺激症状はなく」 (Google Scholar)
結果の評価:医中誌WebやGoogle Scholarでは該当表現がヒットしても、JMEDplusでは ヒットしないものもあり、複数DBによる網羅的検索の重要性が考えられた。
入力留意点:JDREAMII移行後、ストリングサーチが可能となったので、 「ない」・「なかった」・「なく」等の入力が簡略化された。


第238回 ライフサイエンス分科会
記入者:渡辺 正彦
開催日時: 2006年6月15日(木) 14:00~16:30
開催場所: (社)化学情報協会 会議室
配布資料: 「STNライフサイエンス系ファイルの強化」
参加人数: 16名

内 容:STNライフサイエンス系ファイルの強化点の紹介
宮崎 佐智子 氏

今月は、(社)化学情報協会を訪問し、STNのライフサイエンス系DBの強化点について 宮崎さんに紹介していただきました。

1.MEDLINEの強化点

①リロード
2月にAnnual Reloadを完了し、2006年版のMeSHに対応した。これに伴い、練習用ファイルの LMEDLINEやTOXCENTERファイルのMEDLINEセグメントもRelaod。

②検索機能の強化
ストップワードの廃止。
基本索引(/BI)、抄録(/AB)に加えて、標題(/TI)フィールドの検索でも後方一致、 中間一致検索が可能となった。
収録源(/SO)フィールドにISSNとE-ISSNを収録。
OLDMEDLINEのレコードにMeSHを追加。全てMajor discriptorの扱い。
コメント(/CM)フィールドを新設。”Comment on”や”Comment in”を収録し、 該当するレコードのPubMed IDも収録している。

2.EMBASEの強化点
更新頻度が毎日に変更。
統制語とリンク語を組み合わせて検索する場合、(P)演算子を使用する。
S 統制語/CT(P)リンク語/CT
従来の(L)演算子を使用した場合、ノイズがヒットすることがある。1レコードあたりの 索引情報が増加したことにより、システム処理の関係で(L)では対応できなくなったため。
補足:主要な医学文献DBでの統制語とリンク語(subheading、role等)の組み合わせ
MEDLINE ⇒ (L)
EMBASE ⇒ (P)
DDFU ⇒ (S)
3.Scisearchの強化点
抄録(/AB)フィールドで(S)演算子が利用可能になった。
基本索引(/BI)、抄録(/AB)、統制語(/ST、/STP)フィールドで後方一致、中間一致検索が 可能になった。
ストップワードの廃止。
収録源(/SO)フィールドでISSNの検索が可能になった。
4.その他

①NAPRALERT
天然物についての書誌情報とファクトデータを収録しているNAPRALERTの更新が中止。

②REGISTRY
25,000物質に対して、34,000件の実測物性値が追加になった。
13C-NMRとIR、MASSスペクトルデータの収録を開始した。
予想物性値の更新と追加を行った。
GenBankの配列データの登録基準が変更になり、文献(論文、特許、会議録等)で参照された場合に登録することになった。
③オンラインシソーラスに関するお知らせ(化学情報協会より)
当日の配布資料 p.6 のコマンドに誤りがありました。誠に申し訳ありませんが、以下の修正をお願いいたします。 なお、リンクしたPDFファイルは修正済みです。
=> E ASCORBIC ACID/CT+ALL → => E ASCORBIC ACID+ALL/CT

また、当日は CAlexicon (CAplus/CA ファイルのオンラインシソ-ラスです) についてもデモでご紹介しました。 ご興味のある方は次の資料をご覧ください。 http://www.jaici.or.jp/stn/calex.pdf


第237回 ライフサイエンス分科会
記入者:渡辺 正彦
開催日時: 2006年5月18日(木) 14:00~16:30
開催場所: JST・上野会議室
配布資料: 「JDreamII機能改善案 ヒアリング項目」、「JMEDplusのサブヘディング一覧」等
参加人数: 19名

内 容:JDreamIIの機能改善についての意見交換とサブヘディング一覧
今月は、先月要望のあったJDreamIIの改善点について、JSTの担当者の方々と意見交換を行いました。 また、本年からJMEDplusに導入されるサブヘディングについて付与ルールを説明していただきました。

1.JDreamII機能改善案についての意見交換
情報提供部 新サービス開発課 甲田 彰 氏

JSTの甲田さんから事前に配布されたヒアリング項目について説明していただき、意見交換しました。 検討項目は以下のようになります。

① JST系ファイルのキーワード(AL)検索対象項目に英文表題(TIEN)を加える
賛否両論の意見があり、まとまりませんでした。大きな変更ですが、急ぐことではないので、 メリット、ディメリットを再検討して、どのように改善するか決定したほうがいいとの結論になりました。
TIENの検索方式について、現在の完全一致検索を辞書で補う形式では限界があるので、 前方一致検索ができるようにして欲しいとの要望がありました。

② オフライン出力やユーザーSDIのhtmlファイルから文献複写できるようにする
優先する必要はない。
テキスト形式で提供してほしいとの強い要望がありました。対応方法として、SDI登録する際にHTML形式と TXT形式を選ぶ方法もあるとの意見もでてきました。
③ ノイズ除去専用の近接演算子NOTWを実現する
補足:前後で除くことになる。すなわち、NOTWではなく、NOTA として機能する。
是非とも実現して欲しい。
コマンド形式は、Dialogに合わせて除きたい用語を右側に記載する形式が望ましい。 たとえば、ステロイドは必要だが非ステロイドは必要ない場合、「非(NOTA)ステロイド」ではなく、 「ステロイド(NOTA)非」で入力する。
NOTA でも NOT A でも使用可能にしてほしい。
④ 統制語のオートマッピング機能を実現する
大規模辞書の充実が先で、優先度は低い。
オートマッピング機能を導入する場合は、マッピングルールを明確にして欲しい。
⑤ 近接演算(W)、(A)、(S)で複数語(n:n)に対応する
補足:近接演算子は1つのみ使用可能。複数語の上限は n=20 とする。
語間はパイプ文字( | )で区切る。例) (コホート|コーホート) (W) (試験|研究|調査)
是非とも実現して欲しい。
語間にパイプ文字( | )を使用するのは違和感があるので、ORを使えるようにして欲しい。
「集合番号(w)複数語」も実現して欲しい。
⑥ L番号をまとめてOR演算できるようにする
補足:L1-10で指定するとL1からL10までをOR演算。「L1-10 OR L12-15」も可能。
是非とも実現して欲しい。
L番号の個数の上限については結論がでませんでした。上限設定の必要性も含めてJST側で検討してもらう。
⑦ シソーラスブラウザからの反映でフィールドコードを付与しない形に変更する
補足:フィールドコードを外す。ただし、サブヘディングと組み合わせる場合は、フィールドを指定する。
JCHEMファイルからの渡り検索については、括弧で一塊にして/CNを付与する。
優先的に実現して欲しい。
★その他要望
シソーラスブラウザについて、日本語名、英語名の両方で検索できるようにして欲しい。
例) 「ワルチン腫瘍」の索引語を探すために、「ワルチン」で入力すると0件になる。 英語表記の「Warthin」で検索するとヒットする(5月24日時点では対応済み)。 また、同義語に準シソーラスの「ワルチン腫よう」が含まれていない。

★宿題(後日回答をいただきました)
日本語異表記投書箱の対応状況
(1) 対応のタイミング:1週間から2週間
(2) 対応後の連絡:個別にメールにて担当より連絡
(なお、「××を含む単語全て」といったご依頼を頂くことがあり、その場合は数週間あるいは 段階的に対応させていただきます)

2.JMEDplusのサブヘディングの紹介
文献情報部 医学課 鈴木 響子 氏

4月から付与を開始したサブヘディングについて、鈴木さんに説明していただきました。

① サブヘディングの概要
サブヘディングは全部で26語。サブヘディング間に階層関係はない。
1つの用語(ディスクリプタ、準ディスクリプタ、化合物質名)に9個まで組合せ可能にしている。
薬物療法のようにサブヘディングとメインヘディングの両方ある場合は、どちらも使用する。
メインヘディング(ディスクリプタ、準ディスクリプタ、化学物質名)と近接演算子(L)で繋げて検索する。 サブヘディングを複数使用する場合はパイプ文字で区切る。
フィールドを指定して検索する必要がある。
サブヘディングのみの検索はできない。
②特徴的なサブヘディング
(1)主として医薬品に使用するサブヘディング
治療利用 (TU): 臨床試験第1相から第3相についてはTUと薬理学(PD)の両者を付与する。PMSについてはTUのみを使用する。 ヒトの場合は、疾患名/DT(薬物療法)も付与するが、動物の薬物療法の場合は付与しない。
多剤併用(DC): 多剤を併用した治療はDCを付与し、TUを索引しない。複合製剤は単剤とみなし、TUを索引する。
MEDLINEに対応するサブヘディンのないもの:上記の多剤併用(DC)の他、薬物相互作用(CB)、内因性(EN)
(2)主として疾患名に用いるサブヘディング
薬物療法(DT):ヒトに限定。治療に関連したサブヘディングには、放射線療法(RT)、食事療法(DH)、 外科的療法(SU)、治療(TH)、リハビリテーション(RH)がある。いずれもヒトに限定。
遺伝学(GE): 疾患に関連した遺伝子の解析を行っている文献に付与。
(3)薬物・化学物質と疾患名両方に用いるサブヘディング
血液分析(BL)と血液分析以外の分析に用いる分析(AN)がある。薬物動態の研究には薬物動力学(PK)を付与し、 BLやANは付与しない。
医薬品に使用する「治療利用」と「多剤併用」については、判断が難しく、結局、両方を使用する必要があるのでは との意見も出ていました。その他、臨床試験のIからIII相試験に薬理学(PD)も付与することにも意見が出ていました。


第236回 ライフサイエンス分科会
記入者:渡辺 正彦
開催日時: 2006年4月20日(木) 14:00~16:30
開催場所: ファイザー(株) 会議室
配布資料: 「JDreamIIと大規模辞書について」、「JOIS、JDream、JDreamIIの機能比較」等
参加人数: 28名

内 容:「JDreamIIとJST大規模辞書」
今月は、4月に本稼動されたJDreamIIとJSTで開発中の大規模辞書について、 JSTの担当者の方から紹介していただきました。

1.JDreamIIコマンドモードの検索方法
植松 利晃 氏、甲田 彰氏

JDreamIIについてはJST主催の研修会で紹介されていますので、利用する上での注意点を列記するにとどめます。一部の注意点については、改善方法を5月のOUGで検討することになりました。

フィールドコードALで英文表題(TIEN)を検索できない。
シソーラスブラウザで同義語の検索が可能。同義語に異表記語がある場合は、優先的に表示する用語を設定している。 同義語を検索式に反映できるが、シソーラス用語はフィールドコードがCNになるので注意が必要。
表示されている検索履歴のL番号をチェックしてブール演算が可能であるが、5件までしか選択できない。
簡易入力機能で発行年や対象の限定(ヒト、症例報告、年齢等)、記事区分で検索できるが、 ヒット件数の上限が500万件なので注意が必要。
近接演算子として、(W)、(A)、(S)、(L)の4種類が利用可能。(NOTW)や(NOTA)はサポートしていない。 1つの検索式で近接演算子は2個まで可能。一方、(L)以外の近接演算子では、論理演算子を使った複数語の指定や 前方一致との組み合わせができない。
シソーラスブラウザで医薬品名を探すことが可能であるが、英語名には対応していない。また、検索式に反映させた場合、 化学物質名のフィールドコードがCNになるので注意が必要。
JCHEMファイルで医薬品を検索し、頻度分析により同義語を選択し、検索式に反映できるが、文字数が2048バイトまでであることと フィールドコードがCNになることに注意が必要。
著者名を所属機関とリンクさせて検索する場合は、Expand検索が有効。著者名と所属機関は(L)で繋げる。複数の所属機関に属する場合は、(L)の後でパイプ文字(|)で繋げる。

2.大規模辞書について
梶 正憲 氏

① 目的
(1)利用者が同義語や表記の揺れを考慮することなく、網羅的に情報検索ができるようにすることと、 (2)索引作業者がシソーラスを意識することなく、論文のタイトルや抄録、本文中の用語を選択し、自動的に 統制語を付与させることにより、労力の削減と迅速化を図ることを目的としています。
② 辞書のデータ源
延べ140万語のデータ源から用語を投入しています。JST科学技術用語シソーラスやMeSHのようなシソーラスをはじめ、 病名辞書(MeSH、JSTシソーラス、MeDRAJから抽出)、JST機械翻訳辞書、初期に作成した大規模辞書の用語を含んでいます。 その他、第二水準表記辞書や化学物質・薬効等機能上位語、高索引頻度準シソーラス用語もデータ源としています。
③ 大規模辞書とシソーラスの関係
シソーラスは、収録した用語間の包摂関係(上位下位関係)や優先語、同義語を整備した辞書として機能しています。 一方、大規模辞書は、収録した用語間で包摂関係を持っていませんが、シソーラス用語との同義(異表記を含む)・類義関係や シソーラス用語との包摂関係(シソーラスに対してNT)を整備した辞書として機能しています。また、シソーラスと関係付けられない 用語も含んでいます。
④ その他
異表記展開辞書や機関名辞書も整備しています。