会長就任のごあいさつ(2022年7月,清田 陽司)

 

 

 

 

 

一般社団法人情報科学技術協会
会長 清田 陽司(きよた ようじ)

 

 去る7月20日に開催された理事会にて、山﨑久道前会長の後任として会長に選出いただきました清田陽司です。どうぞよろしくお願いいたします。
 未曾有の感染症拡大という難局が続いている中でも、健全な財務状況のもと会誌発行、検定試験、研修、シンポジウム、研究活動などの各種事業が継続できているのは、ひとえに当協会の目的に理解・共感を示して支えてくださっている正会員、維持会員、特別会員、名誉会員、準会員の皆様のおかげです。日頃からの有形無形のご支援に、改めて感謝申し上げます。また、数年前の厳しい状況から見事に運営を立て直されてきた山﨑前会長ほか理事・監事の皆様、各委員会・部会の活動に熱心に関わってくださっている皆様、そして各事業の推進を担われている事務局員の皆様による多大なるご貢献に、この場をお借りして心からの感謝と敬意を表します。
 私の当協会との関わりは、会誌への寄稿の機会を初めて頂戴した2008年頃にさかのぼります。忙しい本務の間を縫って自発的活動に参画されていらっしゃる皆様の熱意と、ニューカマーを心から歓迎してくださるホスピタリティに、門外漢ながら大きな感銘を受けてまいりました。こうした熱意とホスピタリティの源泉は、いったいどこに発するのかに興味を持ち、多くの方々とさまざまな場で会話の機会をもたせていただきました。その結果として私なりに理解したことは、情報専門職として各々の持ち場で奮闘されている方々を勇気づける場として、当協会のコミュニティが機能しつづけてきたという事実です。素晴らしい先達に恵まれたことへの感謝と、後進に恩送りしたいという想いをもたれている会員の方々が大勢いらっしゃることが、当協会にとっての何よりの財産であると確信しています。
 このたび、当協会のリーダーシップの大幅な若返りが図られた背景には、情報の世界を取り巻く急激な変化を先取りし、フロンティアを切り開く存在へ当協会を変革していくことへの会員の皆様からのご期待があると理解しております。まだまだ運営上の課題が山積している中、私のような門外漢がこのような重責をお引き受けすることには葛藤もございました。そこで思い返されたのは、私が卒論生として師事した長尾真先生の在り方です。当協会にもさまざまな関わりを持たれていた長尾先生は、先駆的な電子図書館構想の提案に留まることなく、日本図書館協会会長、国立国会図書館長などの重責を担われ、その実現に向けて尽力されました。その成果が、2021年5月に逝去された後にも次々と具体的なサービスとして花開いています。もとより長尾先生の足元にも及ばない浅学非才の者ですが、豊かな情報の世界に導いてくださったご恩と、今度は自らが次の世代に恩送りさせていただけるご縁を頂戴したことへの感謝を忘れず、皆様のご期待に沿えるよう努力してまいりたいと存じます。
 「先達への感謝」と「後進への恩送り」を大切にされている会員の皆様が、何よりも楽しみながら活動していただける環境づくりと、次の世代を担う多くの方々が当協会に参画していただける魅力づくりを、新体制の発足初年度における最優先の目標としたいと考えております。どうか皆様のお力をお貸しいただきたく、よろしくお願い申し上げます。

2022年7月