会長挨拶

年頭のごあいさつ

一般社団法人 情報科学技術協会
会長 清田 陽司(きよた ようじ)

新年あけましておめでとうございます。

まず冒頭に、旧年中は、社員総会開催の大幅な遅延などにより、会員の皆様には多大なるご心配とご迷惑をおかけしましたことを、心よりお詫び申し上げます。事務運営体制の抜本的な変革や事務所移転に伴う移行期において、決算作業に伴うさまざまな情報の確認、事務作業などに多大な時間を要したことによるものです。今後このようなことが二度と起こらないよう、万全の体制を整えてまいります。

このような混乱が生じている中にあっても、会誌の発行、検定の実施、研究会活動など、INFOSTAの諸活動が滞りなく進められているのは、ひとえに会員の皆様、理事や各委員会委員の方々、そして関係各位の変わらぬご支援とご協力の賜物と、深く感謝申し上げます。

一方で、2024年は新たな飛躍に向けた着実な前進の年となりました。第21回情報プロフェッショナルシンポジウム(INFOPRO)では、過去最大規模(約400名)であった前回をさらに上回る515名の参加申込者を得て、情報専門職(インフォプロ)の学びと交流の場としての意義をより一層高めることができました。また、AI利活用研究会の本格始動は予想を上回る反響をいただき、新たな会員層の拡大にもつながっています。

主力事業の一つである検定試験事業については、関係者の皆様の多大なるご尽力により、長年の懸案であったCBT化、それに伴う準2級新設などの制度変革を完遂することができました。今後は、生成AIという新たな潮流をどのように取り込み、より魅力のある資格制度としていくかが課題になると認識しております。

標準化事業においても、経済産業省による「標準開発フィージビリティ・スタディ調査補助事業」に、対話AIのガバナンスに関する標準開発の提案が採択されるなど、生成 AI時代に対応した新たな取り組みが始まっています。生成AI技術の進展により、私たち情報専門職の役割も大きく変容しつつありますが、むしろそれは私たちの専門性がより一層重要になることを示唆しているのではないでしょうか。

2025年は、INFOSTAの前身であるUDC研究会の発足から75周年という大きな節目を迎えます。この記念すべき年を、単なる通過点とするのではなく、これからのデジタル社会に貢献できる情報専門職の新たな像を描く機会としたいと考えています。引き続き運営体制のデジタルトランスフォーメーションを着実に進めながら、対面でのコミュニケーョンの場も大切にする、これからの時代にふさわしいハイブリッドな活動スタイルを確立してまいります。

今後も、情報の世界における専門性の本質とは何かを常に問い直しながら、会員の皆様とともに学び、成長していける場を提供してまいります。引き続き変わらぬご支援とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

2025年が皆様にとって実り多き一年となることを心より祈念いたしまして、年頭のご挨拶とさせていただきます。

2025年元旦