2003年5月

学術情報の円滑な流通を阻害しない著作権処理システムの現実に向けたアピール

 INFOSTA複写権問題対策委員会

 国内における著作物の複写利用に関しての著作権問題は、局面が大きな転換点を迎えている。2001年12月から今日に至るまでの1年余りで、利用者の問題意識は高まりを見せ、著作権問題解決に向けた能動的で精力的な動きを生み出すに至っており、業界単位での動きも見られてきた。
 INFOSTAでは、2000年以降継続的に複写利用における著作権問題を利用者のイニシアチブで解決するために、権利処理機関の窓口一本化や許諾システムと組織の統一などの提言や取り組みを行ってきた。INFOSTAは、これらの取り組みを現局面に合わせて更に促進するとともに、以下の課題の解決に向けた取り組みと協力を関係各位に呼びかける。


1. 利用者の特性に応じた権利処理交渉と権利処理システムを要求。
利用者毎に著作物の複写利用目的や方法、量が異なっている。従って利用者の特性に応じた複写利用許諾が必要である。

2. 管理著作物データの正確な公開と適宜のアップデートを要求。
一部の権利処理機関は、いまだに自らが管理する管理著作物の具体的データを示していない。データの公開と適宜のアップデートは、最低限の必要事項である。

3. 各権利処理機関に対して、著作物の権利委託の方法・条件・権利委託内容の公開を要求。
利用者が権利処理を行う上で、実際にはどのような権利委託が行われているのか明確にしておくことが必要である。

4. 各権利処理機関に対して、利用者が支払った著作権料の使途・配分の公開を要求。
利用者は、支払った著作権料の配分状況を知る権利がある。

以上